黒河内岳、南アルプス白根南嶺にあり 笹山 と呼ばれます。以前は伝付峠からか逆に広河内岳のほうから辿るかしなければなりませんでしが、近年奈良田からのダイレクトルートができました。
山梨百名山の一つです。以前白根南嶺縦走で通過しているのですが、今回は奈良田からです。積雪期ですから一泊です。重い荷物を背負って早朝に奈良田を発って登りります。
まず早川の吊り橋を渡り導水管巡視路の鉄棒に沿って登ります。初めは雪がありませんでしたが少しずつ出てきました。1603mの水場入り口ではうっすらと積もっていました。
土底が凍り付いているので早めにアイゼン装着。次第に雪は増えていきますがトレースがあります。途中で二人組が降りてきました。2256mで泊まって引き返してきたそうです。
もうひとり単独行者がいるそうです。雪は深くなるし急な登りが続きます。2256mにはテン場跡があり13時だったのでここにテント設営。うっすらと日も差していました。
設営後ヘッドランプを確認していたら点きません? 蓋を開けると点くという変な状態。まこれで我慢し夕食後早めに就寝。しかし5時ごろから強風。夜半にはもうひどい暴風。
雪は降ってはいないのですがどこからか吹き飛ばされてくるし、テントも壊れるのではと一晩まんじりともせず夜を明かしました。5時前には起きて6時には出発。強風でトレースも定かでありません。
ワカンを装着しての登りです。それにしても急登につぐ急登の連続。一向にはかどりません。幸い天気は良く風も穏やかでしたので ひたすら頑張るのみ。
途中南峰基部あたりで先行者が降りてきました。朝4時半に2300mのテン場を出たが南峰までで引き返してきたとのことでした。さてこれからが大変、斜度は一層増してきます。
傾斜が緩やかになってからも南峰までは遠く感じられます。南峰近くは木々もまばらで眺望もよくなります。南峰は広い雪野原にわずかにポツンと標柱。さてどうしよう?
先行者は4引き返したし 少し様子を見に行って見よう。北峰にはいったん下って登り返さなければならない。トレースはないが先は見えている。少しずつ進んで行く。樹林の鞍部まで行くと雪は深い。
突然ズボッツと腰上まで潜り込む。脱出に一苦労。二度ほどあったが頑張って登り返す。今度は氷可した斜面、ピッケルをもってきていないのでストックを思いきり刺して四つん這いになって登っていく。
山頂近くなると今度は風で雪が飛ばされ地面が露出している。しかし四方の眺めはすこぶる良好、あまり山座同定はできないが雪の峰々がきれいに聳えています。
しばらく写真撮影。再び南峰へ戻ります。富士山もきれい。帰路 急斜面の連続。こんなに急だったのかと驚きです。そして長い長い下り道。こんな所をよく登って来たものだと自分でも感心。
もうヘトヘトになりながらも早川の吊り橋を渡って車の所へ無事帰着。一泊だからと少し気楽に考えていましたが、なかなか厳しい山行でした。ま、年のせいもあるのでしょう。
トップページへ > 山歩き、渓歩きへ > 2020年山歩き、渓歩き>笹山 |