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       黒覆尾根、中央アルプスにあります。昔伊那側の飯島町与田切川上流から黒覆山に取り付きいくつかのピークを越え田切岳、赤梛岳、(または擂鉢窪から)南駒ケ岳へと通じた登山道があったようです。

      本多勝一氏が若かりし頃、擂鉢窪の小屋あたりで住んでいた時、このルートを登ったとか・・?とにかく激藪で険しく急峻な尾根が続く道のようでネットで漁ってもそれほど多くの人は登っていないようです。

      この起点の黒覆山2回、終点あたりの田切岳には一回登っていますが(これらの山自体もあまり知る人はいませんが)この間の尾根、黒覆尾根は登っていなくて何時かは挑戦してみようと思っていましたが、

      やっぱり厳しそうで、ズルズルと年月が経ち、年もいったのでもう体力的にも無理と半分以上諦めていました。しかし心には、何かモヤモヤとしたスッキリしないものが残っていました。

      それでも何とか、一泊二日が無理なら山中二泊 も覚悟でとも考え、いろんな資料探しや入山口、下山口、予定コースなどをいつの間にか計画をめぐらしていました。

       ところで、今年の気候は暑い日が遅くまで続きキノコも全くの不作でこちらはあきらめムード。9月の彼岸の四連休後半に良い天気が続きそうなのでキノコに見切りをつけ思い切って出かけました。

      中小川登山道も荒廃していてもう何年も通行止めとかで下山道にはちょっと不安。下山路を簫ノ笛山周りにしました。前日夕方簫ノ笛山下山予定地(ここも道路がわかりにくくやっとのことで)に自転車をデポし、

      黒覆尾根入山口のシオジ平自然園手前の閉鎖ゲートの所で仮眠です。4時ころ釣り人三人組が来ました。私が登山者だということで安心したり、驚いたりでした。

      まだ暗い4時半ころから歩き出しました。オンボロ沢が昨年の大雨などでかなり荒れているとのことだったが、水は少なく飛び石伝いにわたることができました。

      次はイヌ沢です。ここもかなり荒れているのではと心配しましたが、何とか1919m先の鞍部に登り詰めました。ここまでは以前黒覆山に登った時来ています。今回はここから反対方向に尾根道を行きます。

      コルも笹薮で覆われていますが、この先の尾根も深い笹薮です。とにかくかき分けかき分け乗り越えていきます。たまに笹のない所だ出てくるとほっとします。

       まず初めの目標が2176m峰、どこだかわからないうちに通過。次は2380mあたりが目標、、ここも必死に藪漕ぎで急斜面を登っていると現在地がどこだかよくわかりません。

      今日の泊まりの予定は2500mあたりだがこの辺りは厳しい尾根が続きます。今日のうちのできるだけ先まで稼いでおきたいが、いいテン場もさがしながらです。2580mあたりは尾根が細く、

      それぞれのピークの鞍部にもいいテンバはありません。2588mあたりの北側に派生している尾根たりを探し回ります。何とか傾斜の緩そうな隙間を見つけ無理やりテント設営です。

      太いダケカンバの間にハイ松の枝を敷き詰めます。何とか横になれましたが。やはり夜間には少しずつずり落ちます。テントがヒシャゲ、ジッパーがうまく飽きません。閉じ込められそうになり無理やり

      外に出たらポールが折れてしまいました。何とかテントを元に戻し 早く夜が明けないかと願ってウトウト。ま、それでも朝は来ます。朝陽も昇り今日もいい天気。

      細尾根の先の2580m峰から下りです。そして険しい登り。鎖や錆びた針金なども出てきます。小ピークの後は猛烈なハイ松漕ぎと言うかハイ松乗り、何とか少しでも楽をと西側のほうに回ります。

      こちらはハイ松の丈がやや低い?しかし回りすぎると百間ナギがすぐそばです。少しずつ漕いでいくと急に大きなケルンの田切岳山頂、ホットしました。ここでゆっくりと記念撮影など。

      さて田切岳の下り、すごい急な斜面です。ダケカンバにつかまりながら少しずつ下ります。ナギがすぐ横まで迫っている細いコルを過ぎ、今度は赤梛岳目指します。初めは草木の中の踏み跡を進みますが、

      いよいよハイ松の大海です。あっちへ行ったりこっちへ来たりと登りやすそうなところを探しますが、この登りでかなり時間を食ってしまいました。やっと赤梛岳について、これから一般道とホッと安心。

      ここまでの藪漕ぎ中に熊スプレーをなくしました。昨年の中三ノ沢では熊スプレーだけでなくGPSもなくしたのでまだマシです。

      今度は空木へ向かいます。途中でペットボトル一本を置き忘れたようで、水が心配。空木岳もさっさと通過。駒石経由で先を急ぎます。ヨナサワの頭を過ぎ迷い尾根、大、小地獄、マセナギと。

      ここから右にそれ簫ノ笛山目指します。最近トレランコースとして整備されたのか道はわかりやすい。以前より遠回りのような感じでなかなか山頂に出ません。途中で腰を下ろしたとき、その後

      なんと!! しばらく同じ道を戻っていました。早く気が付いたからよかったのですが・・疲れていたからか・空間失認?ボケなのか?ま、すぐに笙の笛山に着きましたが。

      以前来た時に比べ趣きがかなり異なります。以前はなかった山名板も 赤く大きめで派手なのが掲げられていました。

      ここから少しトレランコースを行きますが、その後は整備されていない藪尾根へ。初めのうちは笹も深く急な下りです。でもピンクテープもありそのうち笹も薄くなり踏み跡もはっきりし、ただ黙々と下るのみ。

      最後は林道が見えたので早めに降りましたがすぐにゲートで、5時に自転車の所にたどり着きました。この後は自転車ですがやはりブレーキがイマイチでスピードを出すと止まらないのでゆっくり、ゆっくり。

      国道?に出て早めにコンビニでタクシーを呼ぶ。もう暗く山道は全くの暗闇、タクシーの運転手さんもえらく山奥まで行ったのですねと感心していました。

      無事、車も回収し、先ほどのコンビニで自転車やザックを積み込んで一路甲府を目指します。達成感で興奮気味のためか、睡魔に襲われることもなく9時過ぎには無事帰宅できました。

      これで念願の黒覆尾根登ることができましたが、長い激藪の急登、険しいいくつかのピークの通過、精も根も尽き果てた感じです。もう年齢、体力低下なども考るえと藪山歩きも卒業ですかね?!

        ルート図はこちら

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